蠍火

2005年2月2日 音楽
単刀直入に言えば、蠍火はどちらかといえばむしろポップン寄りの楽曲であったかもしれない。もちろん楽曲的には陰鬱で演奏法的には陰険な様相を全面に呈しているため現実的なことを考えればポップンには収録されるなど考えもつかないが、ポップンのそもそもの本質である「どこかで聞いたような」クラシックっぽいと言われれば蠍火はまさに文字通り「それっぽい」。作曲者であるVirkato Wakhmaninovと同時代を生き、氏が多分に影響を受けたであろうSergei Rachmaninovの【ピアノ協奏曲第三番】と言えば映画「シャイン」で題材として扱われたことでも有名であるが、とにかく究極的に美しい反面そのあまりの演奏の難しさの前に何人ものピアニストが挫折したという曰く付きの名曲である。この程度の知識は私のようなクラシックについて無知である者でも知っている事実であるが、Wakhmaninovの面白いところはそんな無知な者でさえ「これはRachmaninovっぽいでしょぶんぶん」と言われなくても「これはRachmaninovを狙って作ったんじゃないか」と思わせるところにある。実際現代において?DXという形でこの楽曲がAnother譜面で発表された当時、そのあまりに発狂した譜面の前に数多の上級者が涙をのんだという。しかしながらLight譜面は極めて簡単に作られており、また7key譜面も非常に難しくはあるがそれによって得られる演奏感は格別である。一部の限られたプレイヤーのみならず、初心者から上級者まで関係なく楽しめるよう配慮された楽曲づくりは、Wakhmaninovのポリシーでもあり、また氏の他の楽曲(リコーダー協奏曲やテルミン協奏曲といった)も万人に長く愛されている所以であろう。段々長ったらしくなってきたのでそろそろ打ち切りますが、まあ要するに何が言いたいかっていうとwac最高。

…以上、REDサントラを買ってきた感想でした。EVO66のロングも良かったよ。

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